仕事の仕方の違い

全くといって仕事関連のマジメな話を書いていないので、たまにはお仕事の話を書いてみようと思った。
こちらに来て日本とオーストラリアでの仕事の仕方や捕らえ方の違いってのが結構気になる。いい面もあり悪い面もあり…。たとえばこんな感じ。
1. 定時で帰るように頑張る
そもそも定時ってのが明確に規定されていないような気もするんだけど、こちらの人たちは定時内で仕事を終わらせようとする意気込みがスゴイ。定時時間内は超慌しく仕事している感じ。朝着いたその時点から即本気の仕事に取り掛かっちゃう…みたいな。まずはメールチェックでもして…とか、そういう雰囲気がない。その割にはコーヒータイムとかはしっかり休むわけなんだけど…。要はメリハリがちゃんとしてるわけだね。日本だとどうしても「残業しちゃってもしょうがない」的な雰囲気があったりするじゃん?そりゃ日本でも定時内に帰れるように努力はしていると思うけど、その気合のレベルが違う。こちらの人はとにかく定時で帰る。仕事が残ってたら家でする。そして週末をすげぇ楽しみにしている。なぜか金曜日はみんな早めに帰るような気がするんだけど…それはアリなんだろうか?ま、とにかくこの面は見習った方がいいかもな。
2. 文章を読まない
メールとか添付資料とか、とにかくちゃんと読んでくれない。プロジェクトでスケジュール表とかがなくても、個人的にちゃんと進捗状況をまとめた資料とか作って定期的にメールで流しているのに、「これ今どんな状況?」って聞いてくる。いや、そこに書いてあるし!!読んでよ!!とか思うんだけど。そして、次の日にも同じ事を聞いてくる。そういうことがないようにドキュメントにまとめてるんですけど…。
そういう環境で過ごしているので、メールなんて至極簡潔な文章を書くようになった。目的だけをバンっと。じゃないと読んでくれないんだもん。逆に言えば、日本みたいに「おつかれさまです。○○です。」みたいなくだりも必要なく、「Hi, ○○」で始めて、後はズバッと要件を書けば良いだけだから楽といえば楽。
3. 机が広い
これはいいよね。日本の2倍くらい。もともと土地がある国だからかもしれないけど。オフィス環境は間違いなく日本よりもいい。
4. マナーモードとか、そういう考えはない
携帯はなぜかみんな着信音を鳴らしまくり。そこでウケを狙っている感があり。日本の職場であれだけ堂々と鳴らしてたら、みんなから相当ブーイングだ。これは仕事への集中力という面を考えると、あまりいい文化とは言えないなぁ…。
5. すぐに転職する
日本と違って「会社の一員として仕事している」という雰囲気ではなく、会社はあくまで仕事を仲介する組織みたいなもので、そこに雇われて個人の実力だけで生き延びる、いわば傭兵みたいな感がある。なので、転職も遠慮せずにどんどんする。突然、「来週から違う会社行くんだ、おれ」みたいな。これはシビアに個人の実力に基づいた仕事が出来るっていういい面もありつつ、組織やプロジェクトとしての結束力に基づく文化が形成されにくいとか、組織に知識が貯まりにくいとかいう悪い面もある。会社としては人の入れ替わりが激しくなるので、おそらく教育などには力を入れなくなると思う。

こちらの他の会社に所属している人も言っていたけど、総じて仕事の質という意味では日本のほうが高いと思う。そういう意味では、日本からオーストラリアに伝播できる様々なノウハウは山ほどあるんじゃないか、そこにビジネスチャンスがたくさん埋もれているんじゃないかと感じるわ。
ただその代わり、こちらではビジネスの動きが早くて必要最低限を抑えたらドンドンと突き進んじゃう感があり、ある意味とても効率的。日本は綿密に計画を立ててピッチリと進めていくタイプだけど、こちらはある程度ツボを抑えたらとりあえず進んで、間違ったら戻って修正…みたいな感じ。アジャイル的なのか?ただ単に適当なだけなのか?それはまだ謎。
個人的にはこちらの文化を尊重しつつ、日本のいいところはきちんと継承して仕事を進めて行きたいっすね。