ThoughtWorksアンソロジー(その3)

前回から時間が随分経ったけど、ようやく読み終わった…。最近はこういった技術系の本以外にも色々と読んだり勉強したりしなきゃならないことが多くてなかなか読む時間が取れなかったんだよねぇ。
...というわけで、感想の続き。

  • 第11章:1クリックデプロイ
    ここで言われているデプロイは、単なるコンパイル⇒テスト⇒ビルドだけではなくて、インフラストラクチャの整備からそのテスト、受け入れてストや性能テストまで、最終的に顧客にリリースするまでに必要となる作業を可能な限り自動化してしまう内容。うちのプロジェクトなんかも自動デプロイといえばテストを実行してモジュールを作るところまでで完了していて、その後の実機への配備や性能テストは手動で行っている。このあたりを改善できれば確かに人為的なミスをかなりの割合で減らせて、品質向上とコスト削減のどちらも期待できるかも。ぜひここまで徹底して取り組んでみたい。
  • 第12章:アジャイルウォーターフォールか -エンタープライズWebアプリケーションのテスト-
    テストの仕方について、ウォーターフォールアジャイルの類似点と相違点が明確にまとめられている。こういう風にビシッと書かれると、うちでやってるテストはウォーターフォールアジャイルの中間くらいの位置づけか。もっとアジャイルよりにテストを持っていかなければならないし、そのために必要なのは何かを真剣に検討していかないと。
  • 第13章:実践的な性能テスト
    性能テストの位置づけからはじまり、そのための指標はどのように策定すべきか、コミュニケーションの重要性、プロセスなどに関して書かれている。前の2章と合わせて、この辺はうちのプロジェクトのやっぱり弱いところだな…。

ということで全章読破したわけですが、総じてとても実践的で知的で面白い読み物。軽く読める割には書いてあることはとても深くて興味深い。これを読めばなんでもできるようになるってな本ではないけど(というかそんな本はこの世に存在しないけど)、今の開発手法や採用技術を見直し、これから必要となる技術や考え方を身につけるための足がかりに最適。みなさんもぜひご一読を。

ThoughtWorksアンソロジー ―アジャイルとオブジェクト指向によるソフトウェアイノベーション

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